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炎症性腸疾患も腸内細菌で完治!? 安倍晋三首相の持病で有名な難病の「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」といった炎症性腸疾患の患者に、健康な人の腸内細菌を移植する治療が日本海側では唯一、金沢大学付属病院で行われており、全国でもトップクラスの治療成績をあげているそうです。 これは患者の大腸内に健康な人の腸内細菌を移植、定着させて腸内細菌のバランスを整え、病気を治すという方法。 この治療は海外で開発され、日本では、まだ数病院でしか導入されていません。 難病というのは、原因も治療法も現代医学ではわからないので、患者にとって医療は無力なのですが、薬物治療などでは全く歯が立たなかった難病が、腸内細菌によって治せるというのは、如何に腸内細菌パワーが優れているかの証です。 そして、腸内環境を善玉菌状態にしてキレイにバランスよく整えることが如何に大切なことかということをわたしたちに教えてくれています。 腸内細菌を移植して、難病の炎症性腸疾患を治療! 【健康な人の細菌を移植:バランス整え、症状消える】消化器病との闘い 炎症性腸疾患(金大附属病院) 炎症性腸疾患という難病の治療のため、健康な人の大便に含まれる細菌を患者の大腸に入れる。 初めて聞くと耳を疑うような治療が、日本海側で唯一、金大付属病院で行われている。 「便中細菌移植といいます。 患者の大腸内に健康な人の腸内細菌を定着させて細菌のバランスを整えると、下痢や腹痛などの症状を消す効果があります。」と消化器内科の北村和哉助教が説明する。 腸内細菌は善玉菌が2割、悪玉菌が1割、その時々に善玉菌か悪玉菌のどちらかの働きをする日和見菌が7割いる。 患者は善玉菌を中心に細菌の数や種類が減っており、悪玉菌が悪さをしているとみられている。 そこで、腸に細菌を入れて健康な状態に戻すのが狙いだ。 炎症性腸疾患はいくつかの病気の総称で、安倍晋三首相の持病である潰瘍性大腸炎やクローン病が代表的だ。 原因は不明で、炎症を抑える薬物治療などが行われているが、完治する治療法はない。 トイレに1時間に1回行く患者もおり、睡眠不足になったり、仕事に大きな支障を来すこともあるという。 全国トップ級の効果 この治療法の流れを紹介する。 大便の提供者(ドナー)は、移植当日に病院か自宅で便をする。 便には腸内細菌のほかに食べかすなども含まれているため、生理食塩水で溶かし、ガーゼでこして細菌以外を取り除く。 酸素に触れると死滅する細菌もいるので、作業は窒素で満たした医療器具で行う。 細菌の培養などは行わず、そのままの液体を治療に用いる。 次に、患者の大腸に入れた内視鏡を使い、液体を注入する。 麻酔は使わず、30分弱で終わる。 移植というと大がかりな手術を想像するが、この治療を受けた患者はほとんど痛みを感じず、体への負担はかなり小さい。 効果を高めるため、液体の残りは冷凍保存しておき、3週間後にもう一度入れる。 北村助教によると、金大付属病院ではこれまでに薬物治療などの効果がなかった9人に実施し、効果判定が終わった8人のうち3人は症状がなくなり、別の3人は軽くなった。 ほかの病院では病状が軽くなった患者は20〜30%しかおらず、75%に効果があった金大付属病院の成績はトップクラスという。 ドナーの基準20項目 その理由を、北村助教は「ドナーの基準を厳しくしているため」と推測する。 金大の基準は他病院より多い20項目ある。 「現在、喫煙していない」 「頑固な便秘がない」といった独自の基準によって、健康な腸内細菌を選んでいるとの見立てだ。 この治療法は海外で開発され、日本でも数病院で導入されている。 しかし、保険は使えず、2016年に始めた金大附属病院は臨床研究として実施している。 腸内細菌は約1千種類あり、その数は100兆個と言われる。 北村助教は注入した細菌と治療効果の関係を研究しており、「どの細菌を入れれば効果があるのか突き止めたい。 新薬開発や保険適用につながるはずです」と意気込んでいる。 医療の最前線に立つ医師の視点から見ると、大便には新しい治療法のヒントが詰まっているのだ。 ◇ ◇ ◇ 引用元:2018年1月23日(北國新聞) ⇒TOPページに戻る
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