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壊れた肝臓を再生する 自分の脂肪で再生医療:全国初の治験スタート 壊れた肝臓を再生する。そんな夢のような治療が実現間近になっているそうです。 金大附属病院の消化器内科は昨年11月、肝硬変の患者に対し、再生医療で肝臓の機能回復を目指す新しい治療法の治験を始めました。 患者自身の脂肪から取り出した細胞を使うことが特徴です。 医療現場への導入に向けた最も重要で最終段階である治験は全国で初めてで、おそらく世界でも最初だそうです。 ![]() 自分の脂肪で再生医療:全国初の治験スタート 壊れた肝臓を再生する。そんな夢のような治療が実現間近になっている。 金大附属病院の消化器内科は昨年11月、肝硬変の患者に対し、再生医療で肝臓の機能回復を目指す新しい治療法の治験を始めた。 患者自身の脂肪から取り出した細胞を使うことが特徴だ。 医療現場への導入に向けた最も重要で最終段階である治験は全国で初めてで、おそらく世界でも最初という。 手間がかからない 「患者の脂肪を使えば、ある特殊な細胞を確保しやすく、アレルギー反応が少ないというメリットがあります」と、金大附属病院の消化器内科の酒井佳夫准教授が強調する。 この特殊な細胞は再生幹細胞という。 普通の脂肪組織に含まれており、送り込んだ臓器に応じた細胞になる。 おなかやお尻の脂肪から取れるので、ノーベル賞で有名になった「iPS細胞」と比べて作製する手間がかからず、費用も桁違いに安い。 さらに、自分の細胞なので、免疫細胞が異物と見なして攻撃することはないとみられている。 肝炎や肝硬変を引き起こす肝炎ウイルスは薬でほぼ排除・制御できるようになったため、治験の対象者は脂肪肝から肝硬変になった患者だ。 酒井准教授は「現在は根本から治療する手段はなく、肝移植しか打つ手がありません」と話し、命に関わる可能性もあるとする。 臓器提供者が必要な肝移植と比べ、自分の脂肪組織の細胞を使う再生医療は実施しやすいのも利点だ。 治療の進め方はこうだ。 まず、全身麻酔をかけた患者から、美容外科の手法を使って脂肪を200〜400?抜き取る。 この脂肪に細胞をばらばらにする酵素を加え、特殊な遠心分離器にかけると、不要な細胞を取り除いて再生幹細胞を抽出できる。 この細胞を、患者の太ももから血管伝いに肝臓まで届けたカテーテルを使って、肝臓に満遍なく注入すれば完了だ。 かかる時間は4時間ほどである。 肝機能が1割上昇 治験に先立つ臨床研究では、治験の有効性が示唆された。 再生幹細胞の投与を受けた4人のうち3人は肝機能の数値がほぼ横ばいで、残る1人は1割以上アップしたからだ。 治験は金大と大阪医科大の両附属病院が共同で行う医師主導治験として、2017年度に始め、3年間実施される。 対象者は合計で8人で、金大が昨年11月に最初の患者に再生幹細胞を投与した。 治療効果が判明するのは半年後だが、酒井准教授は実用化に強い意欲を示す。 栄養を貯蔵、代謝し、解毒や消化液の分泌まで担う肝臓。 この最も重い臓器は、現在の人間の力では造れない。 だが、再生医療の進化によって、不可能が実現できるかもしれない。 ◇ ◇ ◇ 引用元:2018年1月9日(北國新聞) ⇒TOPページに戻る
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